military.comにによれば、バスラの戦い以降、イラクとアメリカの間でサドル師に対する方策で対立が生じています。
バスラ作戦の間、米軍はサドル師とマハディ軍を敵と認識するのを避け、シーア派の武装勢力を「特別なグループ」あるいは単に「犯罪者」と呼びました。そのた、ほかの記事でも紹介されているように、サドル師を逮捕するつもりがないことを、ゲーツ国防長官自身が明言しています。一方、マリキ首相は、依然としてマハディ軍の解散を要求しています。記事はこうした事実を並べて、アメリカとイラクの対立を説明しています。
マリキ首相の鼻息は荒いのですが、この記事にはバスラでサドル師側に寝返った兵士の数を、従来の900人ではなく1,300人だったとも書かれています。当初、主張されたよりも事態は悪かったのです。これではイラク政府による治安維持がほとんど不可能だということを示しています。国際社会がイラクから撤退したら、連立政府は崩壊し、内乱になる可能性もあります。しかし、これはイラクの元々の状態と同じですから、テロに負けたとかいうべき問題ではありません。現状は、それほど不思議な状態ではないのです。アメリカと連立政権によるイラク統治はもともと不可能なアイデアなのです。
バグダッド周辺のテロ事件は未だに続いています。別の記事によれば、首都北東35マイルにあるバクバ(Baqouba)では、裁判所と政府オフィスの向かい側のレストランに注射した自動車が爆発し、匿名を条件にした病院の情報源によれば、最低でも40人が死亡、70人が負傷しました。米軍は、35人死亡、66人負傷と、相変わらず低めの被害を報告しています。ラマディでは、オートバイに乗った自爆テロ犯がレストランで昼食時に自爆し、13人を殺害、20人を負傷させました。ほかにもテロ事件が多発していると記事は述べています。マハディ軍の休戦があり、米軍への攻撃は減っていますが、イラク国民への攻撃は増えています。かつては、米兵の戦死者数を指標として利用できましたが、最近は状況が変わってきたと感じています。