military.comによると、2003年以来、医師が派遣に適さないと判断した兵士、43,000人以上がイラクやアフガニスタンに派遣されていたとUSA Todayが報じました。
米国防総省の記録によると、医師が健康上の理由で派遣不可と判断した兵士の数は変動があり、2003年は10,854人で、2005年は5,397人へ下がり、2007年に9,140人と増加しました。国防総省の記録には、健康上の問題が何であるかやその程度、派遣の前に是正されたのかどうかも書かれていません。昨年、派遣不可の評価を決めるために10,000人の健康記録を調査し、一部の理由には眼鏡使用、歯の治療、薬物アレルギー、少数の精神の健康の問題が含まれました。この戦争はこの評価プロセスが使われた最初の戦争となります。派遣された兵士はほとんどが戦闘に従事しています。米国防総省は、この健康診査のプロセスが使用された最初の戦争だと説明しています。米陸軍は、医師が派遣に反対することはできますが、最終的な決定は部隊指揮官が行うとしています。
USA Todayの記事は、フォート・カーソン基地での実例を掲載しています。マーク・グラハム少将は昨年派遣の手順を調査するよう命じ、少なくとも36人が医学的な理由で派遣に適さないことを見出しました。少なくとも7人の兵士は戦闘地域で治療ができず、帰国させられました。また、彼らの中の2人はまったく派遣されるべきではなかったといいます。
この記事からは、派遣不可の基準がはっきりとは分かりません。しかし、欠員を補うために行われているであろうことは想像がつきます。明らかになった理由は比較的軽い問題だけです。眼鏡をかけた兵士はしばしばニュース映像にみることができます。眼鏡は戦闘を行う兵士にとっては不利な条件ですが、過去にも認められていたことと記憶します。アレルギーは戦闘中に症状が出ると戦闘に集中できないという問題がありそうです。問題は大きな問題を抱えているのに派遣された兵士がどれくらいいるかです。たとえば、運動機能が一部損なわれているような兵士を派遣していないかという問題です。USA Todayの記事には、退役軍人組織から出ている不満が書かれています。兵士が十分な休養と治療を受けられずに高負荷の戦闘に繰り返し曝されている、という不満です。これを改善するには、派遣を決定する権限を部隊指揮官から医師へ移すしかないでしょう。中間管理職である部隊指揮官は、余裕がある間はできるだけ部下の健康に配慮するでしょうが、上からの指示でそれができなくなると、部下に無理を押しつけるかも知れません。この報道だけでなく、実態調査が必要です。
military.comに載った記事はStars and Stripesからの転載です。アメリカの代表的な新聞に載った記事が、代表的な軍人向けメディアに取り上げられ、さらに、military.com、marine-corps-times.com、navy-times.com、air-force-times.comにも掲載されたことから、この報道の反響が窺い知れます。