日本に通告される脱走兵情報の詳細

2008.5.16



 先に在日米軍が脱走兵の情報を日本に即時連絡する件について書きましたが、marine-corps-times.comに、より具体的な記事が掲載されました。

 この記事によると、これまでは脱走が確認されてから30日後に日本に通告していたのが、所在が確認されなくなってから1〜2日以内に脱走兵と認定し、米軍が日本に通告することで双方が合意したということです。情報は都道府県警の警察に対して、氏名、誕生日、国籍、階級、写真を含む情報が提供されます。

 脱走兵に関する事柄をもう一度書きます。米軍は通常、兵士の所在が確認できなくなってから30日後に脱走兵として認定し、捜査を開始します。脱走の明白な証拠がある場合、30日以内に認定される場合もありますが、脱走兵は無許可離隊(AWOL)と違い、「二度と軍隊に戻らない」と本人が考えていたことの証明が必要です。そのため、AWOLと区別するためにも30日間の期間が設けられています。30日以内に脱走兵と認定しても、米軍の軍規には違反しません。もともと、統一軍規法典に30日間の規定はなく、米軍が運用上の規則として設けているだけなのです。それを利用して、今回の措置が取られたと考えられます。国内マスコミは、この辺の事情を一切無視して報道しているため、正確な情報が日本国民に伝えられていません。

 なお、日米地位協定には、米軍が脱走兵に関する情報を日本に提供する規定はありません。しかし、立て続けに起きた脱走兵や外出中の米兵による重大事件により、協定を変更せずにこの取り決めが締結されたのです。(外務省による日米地位協定の情報はこちら

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