抑留中の少年はもっと多い?

2008.5.24



 military.comによると、米政府高官はグアンタナモ基地に報告された8人よりも多くの少年が拘留されているかどうかを再調査すると述べました。

 先週、米国は、8人よりも多い少年の抑留者はおらず、いずれも逮捕時には13〜17歳だったと発表しました。しかし、AP通信が2年前に情報公開法によって入手したリストによると、さらに数名の囚人は逮捕時に少年でした。このリストを国防副次官補サンドラ・ホジキンソンに示したところ、より小さな数字は米国のデーターベースの最良の情報に基づいていると述べました。さらに、データを相互参照して、報告を更新する必要があれば確実にそうするとも述べました。

 たとえば、チャド人のムハマンド・アル・カラニ(Muhammed Al-Qarani)は、2002年2月9日に米国の拘置所に入りましたが、彼の誕生日は1986年1月1日と記録されており、入所時には16歳でした。21歳のカナダ人、オマル・カダル(Omar Khadr)は2002年7月に手榴弾で米国特殊部隊員を殺害した罪で、23歳のアフガニスタン人、ムハマンド・ジャワド(Mohammed Jawad)は2002年に負傷した米兵を手榴弾で殺そうとした罪で逮捕されています。ホジキンソンによると、イラクで抑留されている500人の少年は、家族の訪問、特別な法律の説明や教育を含むケアを受けています。彼女は、抑留者は武装グループがリクルートしようとして狙っており、それから守るために抑留しているとのことです。

 ホジキンソンの話は思わず笑ってしまうほど陳腐です。そして、これでは他者の理解は得られません。信じるのは仲間内だけということになってしまいます。子どもを守るために抑留しているという主張は、子どもの権利条約第38条の「武力紛争の影響を受ける児童の保護及び養護を確保するための措置をとる」の悪用です。第37条には「弁護士と接見する権利」「すみやかな裁判を受ける権利」が規定されていますが、これらは守られているのでしょうか?。そもそも、米軍は大勢の子ども兵を敵に回すとは考えていなかったのではないかという疑問すらあります。この話は対岸の火事と笑うことはできません。自衛隊の海外活動が本来任務となった以上、自衛隊が同じ問題に直面する可能性があるのです。

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