military.comによれば、イラクに増派された旅団の約4,000人が撤退します。この旅団はイラクから撤退する4番目の部隊で、撤退は来月までに完了します。その一方で、気になる記事があります。米兵がイラク人をキリスト教に改宗させようとしているというのです。
記事によれば、アンバル州のファルージャなどの都市で、米兵が聖書の言葉を刻印したコインをイラク人に配っています。コインの片面には「あなたはどこで永遠に過ごすのですか」と、もう一つの面には「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。(ヨハネの福音書3:16)」と刻印されています。コインを受け取ったイラク人たちは、海兵隊が2日間、コインを配っていたと言い、それを「屈辱的な試み」と呼んでいます。地元の宗教団体からは、イスラム教徒とキリスト教との間に争いを起こすとして、コインの配布を止めるように要望が出されました。米軍広報官によると、現在、地元にいる指揮官がこの事件を調査中です。誰かを改宗させる行為は軍が禁じているためです。
誰がどういう目的でコインを配ったのかは分かりませんが、あまりにも無神経な行為です。キリスト教には「メダイ」というコインが存在します。その影響だと思いますが、欧米では何かを記念したコインがよく作られます。大統領が傷痍軍人の慰問に行く時など、その戦争を記念したコインをお土産に持っていき、自ら手渡すのに使います。
米兵がどう考えようと、イラク人にすれば、銃を持った相手から半ば強制的に異教徒のコインを押しつけられたという話です。コインは受け取ってみないと主旨が分からず、受け取らないと暴行を受けるかもしれないという不安もあります。だから、自分たちの教義に反する物を無理矢理押しつけられたに等しいのです。ヒット曲と同じで、どんなに自分がその曲を好きでも、他の人は同じように感動しないものです。宗教も同じで、自分の信仰を他人が同じように受け入れてくれるかどうかは分かりません。おそらく、この事件は海兵隊内部のキリスト教徒の個人かグループが自発的に行ったのではないかと想像します。早いうちに事実関係を明らかにして処分を行うだけでなく、地元に対して十分な説明を行うことが大事です。