女性の退役軍人たちは復員軍人援護局(VA)から男性と同等の外来診療を受けられていないと、military.comが報じました。
退役軍人の約5%は女性ですが、2年後には2倍近くに増加すると予測されています。同局の外来診療所の約3分の1で、女性に対する治療が男性と同等ではないと、米議会が行わせた調査で確認されました。VAはマンモグラフィー検査、女性用の診療を確立し、医師を訓練し、肺ガンのような女性の間に拡がる病気に対処しようとしてきました。しかし、未だに医師も設備も不足しています。VAはこれを否定しており、男性と女性の間に治療の格差を示すデータはないと言っています。米軍の約14%は女性兵士で、イラクとアフガニスタンに派遣された170万人の軍人190,000人以上、約11%は女性です。
女性兵士の問題は見過ごされがちです。軍人といえば男性の職業というのが当たり前で、女性兵士は存在しても、後方勤務と相場が決まっていました。私自身、女性兵士に関する情報はあまり持っていません。よって、分からないことが多いのですが、軍務に関係しないところで起こる女性特有の病気に対する治療が問題になることは理解できます。倫理上、軍として、これらの治療を行わないとは言えません。しかし、隊員の多くが男性であることから、婦人科の対応が遅れがちになることも理解はできます。
女性軍人の問題は、女性の権利の歴史と密接な関係があります。第2時世界大戦で男性隊員の不足を補うために後方勤務の女性隊員が増えました。民間でも女性の多くが軍需産業など戦争に関連する企業で職を得ました。それまでは男性に従属する立場だった女性が、自分の給与を受け取るようになったことが社会を大きく変えたといわれています。戦後のウーマンリブ運動は、こうした理由で起こりました。いまや女性の軍人は当たり前になり、戦闘以外の部門で活躍するようになりました。しかも、それが1割を超えるようになったのなら、これはもうひとつのジャンルとして確立されたも同じです。米軍の中には、准尉や下士官など、グループごとの組織があります。女性兵士のグループもすでにあるかも知れません。自分も、今後は女性兵士に関する情報に目を向けなければいけないと感じます。
話は変わりますが、先日紹介したイラクとアメリカの安保協定の交渉が行き詰まっていることをノーリ・マリキ首相も認めたという記事が掲載されました。マリキ首相も妥協の余地はまだ残されていると述べていますが、行き詰まっていることもほのめかしました。