military.comによると、カルザイ大統領の発言に対してパキスタンが反発しました。パキスタンの広報官ムハマンド・サディク(Mohammad Sadiq)の発言が意味深です。
「我々はメディアに対するカルザイ大統領の声明を見た。我々はこれがアフガニスタンによる非難合戦(the blame game)の再開ではないことを望んでいる」とサディク広報官は述べました。どうも軍を送るといっているカルザイ大統領の声明が、まともにパキスタンに受け止められていないような感じです。この程度の話は舌戦に過ぎないとでも言いたげです。パキスタンは、国境地帯に90,000人以上の軍人を配置し、2001年以降、1,000人が武装勢力との戦いで戦死したと主張し、批判を拒絶しています。
パキスタンが何を言おうと、この地域の動きが複雑怪奇で、何があってもおかしくないことは変わりません。とりあえず、次の動きは、パキスタンが何らかの圧力をパキスタン領内のタリバン派にかけることでしょう。さまざまなやり取りが行われ、結局、アフガン軍が派遣されるのかどうか。何とも分かりません。
military.comによると、500人のタリバン兵がカンダハル州のアーガンダブ地区(Arghandab)の複数の村を占拠しました。この攻撃の3日前、カンダハルの刑務所が襲撃され、数百人の囚人が脱走していました。この地域の有力な反タリバンの指導者ムラー・ナクィブ(Mullah Naqib)が昨年、心臓発作で死亡しました。すると、2週間後にタリバン兵が大挙してやってきました。2番目の反タリバン指導者が今年2月に大規模な自爆攻撃で死亡しました。連合軍は空爆を用いて対抗していますが、今回の結果となったのです。仮に、この地域でタリバン兵を追い出しても、今度は別の場所で活動を始めるかも知れません。すべてを押さえ込むのは、ほとんど不可能に近いのです。
日本政府はこんな場所に自衛隊を派遣しようと、調査隊を出発させました。調査だけやって「派遣は無理」で落着するのか。イラクに派遣した時のように、無理な理屈をつけるのか。調査結果には強い興味を感じます。