military.comによれば、米連邦控訴裁判所ははじめて、グアンタナモの抑留者を戦闘員として認めないという判断を示しました。これによって、ウイグル族の抑留者フゼイファ・パーハット(Huzaifa Parhat)を敵の戦闘員だとした軍事裁判所の決定は覆りました。
この判決により、米政府は6年間拘留し続けたパーハットを釈放し、別の事件での戦闘員としての認定を再考しなければならなくなりました。米軍は、彼は東トルキスタン・イスラム勢力のメンバーで、タリバンが運営するトラボラ山脈の基地に参加していたと主張しています。パーハットはこれを真っ向から否定し、自分はイスラム勢力のメンバーではなく、誰がキャンプを運営していたかは知らないし、アメリカに敵対したことはないとも主張しています。裁判所は彼が武装勢力のメンバーであった証拠がないことに気がつき、今回の決定を下しました。パーハットは中国に送還されると拷問を受ける恐れがあるので、他の国に行くことを希望しています。
日本の過激派に関する裁判でも、予断で容疑者を特定して、あとで別人が犯人だったことが明らかになった事例があります。テロ容疑者のような対象は、色眼鏡で見がちで、それが判断を誤らせるものなのです。今回、初の司法判断が出たことは、今後のテロ容疑者の裁判にも影響を与えるでしょう。やっと、アメリカがまともな方向に向けて足を踏み出したようです。こうした抑留者は他にもいるはずです。全員が公正な措置を受けることを望みます。