アンバル州の治安が安定

2008.6.26



 かつてテロ事件が多発したアンバル州がイラク軍の支配下に入った、とmilitary.comが報じました。

 目下、9つの州が自治体のコントロール下にあります。こうした州では、イラクの保安軍が毎日活動を行い、米軍が必要に応じて援助を提供しています。ファルージャでは2006年11月には、米軍とイラク軍に対して毎日約41回の攻撃があり、18州の中で最高でした。現在は、イラク国民に対する攻撃を含めても、1日に2回まで減っています。

 この記事には、武装勢力がイラク北部へ追いやられたあと、ユーフラテス川峡谷へ戻ろうとしているとも書かれています。アンバル州から移動した武装勢力に関しては、最近、あまり情報がありませんでした。むしろ、ここ最近、バグダッドでテロ攻撃が増えていることが報じられていました。

 イラクの治安が今後どうなるかは、まだ流動的です。半数の州で治安が安定したことが、直ちにイラク全土の安定の基盤とはなりません。イランに後押しされたシーア派の動きが分からないからです。むしろ、テロのレベルは落ちるものの、そこで安定してしまう危険性が高くなっているように思います。正規戦と違い、軍隊がどこまで、どれだけの部隊が進撃したといった情報がないゲリラ戦では、外部から情勢を正確に評価するのは困難です。この予測にも確信は持てません。先に書いたように、イラク北部へ移動した武装勢力の動向が完全に分かっていないなど、重要な情報に穴が空いているからです。腰だめで情報を見ていくしかありません。

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