7月1日にトルコでクーデターが発覚し、退役軍司令官を含む24人が逮捕されたと報じられていました(記事はこちら)。ワシントン・ポストが起訴される人びとが86人へ増えたと報じました。当初の観測よりも事件の規模は大きかったようです。
逮捕者は、少なくともひとりの元将官、ジャーナリスト、学者、ビジネスマンを含み、エルドアン首相の政府を打倒するために武装蜂起を計画した世俗主義のテロ組織を作ったり、そのメンバーでした。彼らは、現政権が世俗主義の法律を侵害し、クリスチャンやクルド人に対してあまりにも多くの譲歩をしていると考えています。また、イスラム教の認知度を高めた点も批判しています。
世俗主義を重視し、公の場で宗教的な発言をすることが禁じられているトルコでは、政権が特定の宗教に肩入れした場合、軍隊がクーデターを起こして、世俗主義を守る伝統があります。今回の事件も、そのひとつとみられます。現政権は、クルド人に武力攻撃もしていますが、このグループはそれでは不十分だと考えていたようです。
クーデターが成功していた場合、クルド政策に変更が生じる可能性がありましたが、それはなくなったと見てよさそうです。