タバコの火で燃えたジョージ・ワシントン

2008.8.1



 日本に向かう途中で火災を起こした原子力空母ジョージ・ワシントンの修理費用は7千万ドルで、火災の原因はタバコの火だったと、military.comが報じました。

 記事は、火災の炎は空母だけでなく、艦のトップ2人の軍歴も燃やしたと皮肉っています。太平洋艦隊司令官ロバート・F・ウィラード大将(Adm. Robert F. Willard)が、ジョージ・ワシントンの艦長デビッド・C・ディクホフ大佐(Capt. David C. Dykhoff)と副長のデビッド・M・ドーバー大佐(Capt. David M. Dober)を解任したのです。艦長の後任は空母セオドア・ルーズベルトの艦長だったJ・R・ハーレイ大佐(Capt. J.R. Haley)、副長の後任はカール・O・トーマス大佐(Capt. Karl O. Thomas)です。他にも標準以下の成績を理由に数名の将校が将校が解任されています。

 喫煙が許可されていないエリアで、誰かが煙草を吸い、その炎が不適切に保管されていたオイルと可燃物に火をつけたのが火災の原因です。現場から吸い殻が見つかりましたが、喫煙した者は特定されていません。炎は最初、補助ボイラー室と空調・冷却用のスペースでみつかりました。炎は3,800ある区画の80カ所に通じるケーブルにダメージを与えました。ジョージ・ワシントンは8月下旬に日本に向けて出発する予定です。

 軍艦のような特殊な場所では、火災が最も危険なのは言うまでもありません。特に、今回はケーブル火災が起こり、艦の一部が機能不能に陥ったのです。軍事法廷と軍刑務所が待っていることを考えると、犯人が名乗り出られないのは当然です。調査の結論は、最初の出火も、その後の延焼も、どちらも防げたはずだったとしています。出火の理由が避けられなかった火花のようなものなら、まだ救いようがありますが、喫煙では「怠慢」の二文字しか連想できません。あまりにも初歩的なミスです。

 同紙によると、米空軍のF-15が訓練中にネヴァダ砂漠に墜落し、パイロット1人が死亡した事件も起きています。事件の詳細はまだ明らかではありません。

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