ディヤラ州の掃討作戦に成果

2008.8.13



 military.comによると、イラクのディヤラ州で行われていた大規模な軍事行動「吉報作戦(Operation Glad Tidings)」が11日終了しました。

 先月末から行われたこの作戦は、30,000人のイラク軍と警察により実施され、アルカイダの指導者を少なくとも10人含む600人以上の武装勢力を逮捕しました。抵抗は少なく、損害は軽微だったようです。また、週末までに出頭すれば、殺人犯以外については恩赦を与えることも発表されました。

 この記事で見るべきは、イラク人だけで、アルカイダの最後の拠点で成果をあげた点です。もっとも、もう少し情報が欲しいところです。イラク軍と警察はシーア派とスンニ派のどちらの部隊だったのか、逮捕者は本当にテロ犯なのかといったことは、報道には現れません。

 この発表があった後でも警察署前で女性の自爆テロがあり、警察官1人が死亡、13人が負傷したといいます。IED攻撃で買い物に行く途中の女性5人が殺害されました。テロは完全には止みませんが、大きな組織は壊滅したのかも知れません。今後は、一層見えにくくなった小さな細胞をつぶしていくことになるのでしょう。戦いの質が変わっていくことになりそうです。

 また、月曜日に、ヨルダンのアブデュラ2世国王がイラクを訪問したことも記事に書かれています。フセイン政権が崩壊してから、アラブの国家元首がイラクを訪問するのは、これが初めてとのことです。これには改めて驚きました。確かに、アラブの国家元首がイラクに行ったというニュースを読んだ記憶はありません。やはり、最初に平和のための行動に動くのはヨルダンかと、改めて感じました。

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