もっと驚くのは、共和党のロン・ポール氏(Ron Paul)が海外勤務の軍人99人から受け取った寄付金45,512ドルは、マケイン氏の4倍だったということです。
戦争経験者のマケインが、未経験のオバマよりも軍人に人気がないわけです。これではもう、戦わずして勝負はついているようなものです。軍人が怒っている時は選挙には勝てないのがアメリカです。それも、海外派遣の軍人がオバマに寄付していることを考えると、戦争の影響が大きいことが分かります。寄付金を出した人は、よほどのことがない限り、政治家を鞍替えすることはありません。軍人全体では差が縮まるのは、戦闘とは関係のない部隊の隊員が寄付するからです。彼らは戦闘ストレスから遠いところにいるため、まだ戦争を続けたいとする候補者を支持するのです。
オバマ氏が大統領になることで、対テロ戦の流れは変化します。もっとも、大きな勝利はすでに失われており、大統領が交代しても覆すことはできません。しかし、最悪の状況は防げるかも知れません。また、同性愛差別問題の解決が前進するなど、米軍内部の変化を促進することが期待されます。
自民党筋からは、マケインが大統領になることが望ましいという声が聞こえてきます。誰が大統領になっても困らない戦略を考える政治になって欲しいものです。