フランス兵戦士の戦死理由は誤爆か?

2008.8.22



 18日にアフガニスタンでフランス軍兵士10人がタリバンの待ち伏せ攻撃で死亡したという報道がありましたが、military.comがフランスのル・モンド紙が、死因はNATO軍の空爆の失敗だと報じました。

 当初の報道では、カブールの東方30マイルのスロビ地区(Surobi district)で、偵察任務を実行中の部隊が待ち伏せ攻撃を受けました。増援が送られ、3時間の銃撃戦が行われました。この結果、フランス兵10人が死亡(今回の記事によると負傷者は21人)、タリバンも多くの被害を出しました。

 ル・モンド紙によれば、待ち伏せを受けた兵士は4時間も支援を待ちました。航空機が到着しましたが、爆弾のいくつかが誤爆となり、味方に命中したのです。ル・モンド紙は生存者の証言を根拠と、NATOが事件を調査しているとしています。AFPはNATO高官の「否定も肯定もしない」というコメントを紹介し、AP通信は、フランスのハーブ・モリン外務大臣(Foreign Minister Herve Morin)が事件を否定し、増援部隊は20分以内に派遣されたと述べたことを紹介しています。

 この事件は調査中ですが、ひっかかるのはANTO高官の「否定も肯定もしない」という言葉です。否定できるのなら、はっきりそう言っても構わないはずです。誤爆が現実に起きた可能性は十分にあると言えそうです。

 このように、戦争のような危険な行為には、友軍による死が付き物だということを忘れてはなりません。味方の武器だから、自分たちを守ってくれると思うべきではありません。アメリカの警察官の訓練のひとつに、自分の武器を奪われて攻撃されるのを避ける技術があります。自分の武器でも、犯罪者に奪われれば、危険な凶器となり得ます。このことを、結構、間違えている人がいます。


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