本日は日曜日ですが、新しい情報を得たので特別に更新します。イランが17日に「打ち上げに成功した」と発表したサフィール−エ・オミッド(Safir-E Omid)は、人工衛星の放出よりも前に機体が壊れ、墜落した模様です。
私はテポドン2号打ち上げ以来、globalsecurity.orgの軍事ミサイルの専門家チャールズ・ビック氏と連絡を取り続けています。彼から届いた最新レポートによれば、サフィールは打ち上げには成功したものの、サフィールの仕様や打ち上げに関する詳細なデータを含みますが、ここでは要旨だけをご紹介します。このレポートはglobalsecurity.orgに掲載されるはずです。
サフィール(大使の意味)の人工衛星オミッド(希望の意味)は高度650km、62〜65度の傾斜軌道に置かれ、イラン上空を1日に6回通過することになると考えられていました。しかし、ロケットは打ち上げられ、宇宙空間に達したものの、軌道には乗りませんでした。
まず、正確な打ち上げ時刻が発表されていません。次に、推定される打ち上げ時刻からイラン政府発表までに、19時間という慣例よりも長い時間が経過していました。これは、彼らが打ち上げ失敗という事態を把握するために起こったと考えられます。さらに、遠地点高度、近地点高度、傾斜角、周期など、軌道に関する情報が公表されていません。サフィールは2段目のロケットが不規則で、制御不能になり、国防総省筋の情報によると500,000フィート(約152.4km)以上上空でバラバラに壊れました。
読売新聞は、打ち上げに成功したというイラン政府の発表をそのまま報じました。さらに、こう書いています。
2月にも同じロケット発射に成功しており、今回の打ち上げは、核兵器の運搬手段にもなり得る人工衛星の発射技術獲得への意欲を改めて示したものといえる。
ところが、ビック氏のレポートには2月の打ち上げは、ロケットの切り離しに失敗し、不成功に終わったと書かれています。2回連続の失敗は、イランのロケット技術の後進性を連想させ、読売新聞の記事から受ける印象とはまるで違います。こうした誤報は避けがたいものなので、読売新聞を責めたいとは思いませんが、私にはかなり衝撃的でした。日曜の朝に、すっかり目を覚まさせられたという気分です。