本日は特別に更新します。
military.comによると、タリバン報道官がアイマン・アル=ザワヒリ(Ayman al-Zawahri )がミサイル攻撃で負傷したか死んだという報道を否定しました。パキスタン軍と情報部も、ザワヒリ死亡の情報は得ていないと声明しました。米軍も攻撃とザワヒリの負傷を確認していません。
報道はCBSニュースが報じたもので、その情報源はタリバン指導者バティトゥーラ・メスード(Baitullah Mehsud)が出した手紙のコピーです。タリバンのロゴ、メスードの署名と封印があり、7月29日付けの手紙にはザワヒリが激しい痛みと感染症に陥っていると書かれていました。タリバンのロゴとメスードの署名は専門家によって本物と確認されました。
ミサイル攻撃は、アフガン国境から2マイルにあるアザム・ワルサク村(Azam Warsak)に対して行われました。タリバン広報官は宗教学生だけが死んだと主張し、「アメリカはいつも無辜の民を狙って攻撃し、それを正当化するために大物を狙ったと宣伝する」と批判しました。
2006年1月にも、ザワヒリはパキスタン・トライバルエリアにある北ワジリスタン(Waziristan)のバジョール族地域(Bajur tribal region)でミサイル攻撃で標的となりましたが、攻撃は失敗しました。
今回の攻撃で、爆弾の専門家アブ・カバブ・アル=マスリ(Abu Khabab al-Masri)が死亡したとパキスタン情報部は主張しましたが、遺体は入手していないと見られています。マスリは2006年1月のザワヒリ攻撃でも死亡説が流れました。
CBSニュースがこのような情報を入手できたとは考えにくいものがあります。手紙が相手(誰かは目下のところ不明)に送られる途中で確保されたのなら、それはパキスタン軍か情報部が入手したものと考えられますが、いずれも情報を否定しています。CIAとて、この地域に深い情報源を持っているとは考えにくいものがあります。大金と引き替えに、偽物をつかまされた可能性を疑ってしまいます。
国内メディアは、あちこちで取り上げていますが、これまでアルカイダの幹部が死んでも彼らの勢力に大した変化が起こらなかったことを、すっかり忘れています。たとえ、ビンラディンが殺害されたとしても、アルカイダが消滅することはありません。
タリバン報道官によると、ミサイル攻撃が行われたのは事実です。何年も、無人偵察・攻撃機プレデターによる活動が行われているにも関わらず、攻撃が成功した実例は数えるほどです。プレデターによる成果はさほど期待できません。
オバマ氏が大統領になって、トライバルエリアでの地上戦を行うとしても、地上から侵入する部隊とヘリコプターで侵入する部隊による混合作戦となり、それをプレデターが支援する形になります。すると、タリバンはよりパキスタン側へ逃げ、米軍が去ると戻ってくるでしょう。戦略を転換しても、依然として状況は非常に厳しいものがあります。