炭疽菌事件の犯人は精神異常者?

2008.8.4



 本日は簡単に記事を紹介します。

 先日、2001年にアメリカで起きた炭疽菌事件の容疑者ブルース・E・アイビンズ(Bruce E. Ivins)が自殺したと報じられました。彼について、ニューヨークタイムスが興味深い記事を掲載しています。アイビンズを知るソーシャルワーカーが裁判で証言し、異常な人物だったと述べたのです。公判の音声記録も聞くことができます。この異常性が事件につながった可能性はありますが、本当にそうなのかは、まだ判断できません。

 アイビンズは、地域社会に貢献し、赤十字社でボランティア活動を行い、カトリック教会では音楽を演奏する人物でした。彼を知るソーシャルワーカーのジーン・デュレイ(Jean Duley)は、アイビンズの精神科医が彼を「殺人癖、明確な意図を持つ社会病質人格」と呼んでいたと証言します。デュレイによれば、彼は自分が軽んじられたと感じた時、特に女性に対して復讐殺人を実行しようとすると述べました。彼は防弾ベストと銃を買い、同僚を殺すことを考えたことがあるといいます。

 まだ、関連記事を十分に読んでいないこともありますが、アイビンズがどんな理由で容疑者になったのかは知りません。記事に載っている写真を見ると、相当に神経質な人物に見えます。炭疽菌事件は、犯行の手口は高度な専門知識を要し、炭疽菌が手に入る人物であることを指していました。同時に、動機が分からない奇妙な事件でもありました。精神異常が原因とすれば、それは理解できないわけではありません。しかし、今回分かった彼の精神状態は、必ずしも事件の動機を証明立てるものではありません。犯人は死んでも、事件の捜査は続け、分かったことは公表されるべきです。風変わりな人間が自殺したので幕引きにするのでは困ります。



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