パキスタン軍が武装勢力百人を殺害?

2008.9.15



 military.comによると、パキスタン軍がこの5日間にトライバルエリアのバジョール(Bajur)で掃討作戦を行い、100人以上を殺害しました。死者には、テロ容疑者10人が含まれ、テロ容疑者25人が負傷しました。

 武装ヘリコプター、戦闘機、大口径の榴弾砲がバジョールの4カ所の地域(Loi Sam、Rashakai、Tang Khata、Gollokass)を攻撃しました。パキスタン軍の被害は不明ですが、砲爆撃が中心の作戦なら、被害は皆無か、軽微なものでしょう。

 これは明らかに、米軍の地上戦を止めさせるために行われた作戦です。米軍はパキスタン軍が武装勢力の掃討に非協力的だと主張しており、最近、パキスタン領内で地上戦を行い、パキスタン軍はそれを強く批判していました。そこで、自分たちで掃討作戦を行い、米軍の地上戦は必要がないと主張したいのです。

 米軍が行う作戦よりも遙かに大きな戦果ですが、これを裏づける証拠があるのかは不明です。攻撃の後で、成果を調べるために現地に兵士を送り込んだり、空から確認したりするものです。テロ容疑者10人が死んだというのなら、死体を回収して、間違いなく本人かを確認していなければなりません。しかし、前にも書いたように、切りのよい数字には注意すべきなのです。死者が100人以上、死んだテロ容疑者が10人、負傷したテロ容疑者が25人。すべて切りのよい数字なのは偶然ではありません。この数字は概算だと見るべきです。果たして、死体を確認したのかどうかすら疑問です。これで米軍を納得させることはできず、今後、米軍からこの数字に対して疑問が提出されることでしょう。実際の戦果は、これよりも遙かに小さな数字のはずです。


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