military.comによると、サラディン州(Salahaddin)で先週金曜日に米軍が行った攻撃で、子供2人と女性3人を含む民間人8人が死亡しました。
目撃者によれば、バグダッドから170km北にあるアル・ドア地区(al-Dor)のアリ・テマ邸(Ali Taema)を、米軍はヘリコプターで爆撃しました。米軍の報道官は、この攻撃はテロリストを対象としたもので、少なくとも3人の容疑者を殺害したと述べました。攻撃の前に1時間かけて住民に対して繰り返し警告し、これらの人びとは降伏を拒否した時点で爆撃されたと主張します。連合軍の発表では、死亡したのは女性3人とテロ容疑者3人で、子供1人は瓦礫から助け出されて治療を受けました。しかし、その子が助かったかどうかは書かれていませんし、残る2人の子供については触れられていません。米軍はアルカイダが市民の中に隠れることを避難していますが、イラク側からは確認をすべきだったとの声が出ています。
別の記事によると、アフガニスタンのNATO軍司令官は、21日の「国際平和デー」には武装勢力を攻撃しないと宣言しました。もちろん、警備活動は行いますが、攻撃的な軍事活動は中止するということです。些少ながら、このことはアフガン国民に国連の立場を知らせることになるでしょう。
武力による平和の達成の矛盾を、この2つの記事はよく表現しています。常に言うことですが、武力で達成できることには限界があります。そして、その犠牲は常に大きいのです。損得を考えると、武力攻撃は常に負であり、できるだけ行わない方がよいのです。このことは孫子の時代から言われ続けていながら、人類は常に判断を誤ってきました。この事件も日本のメディアでは、規模が小さいために報じられないでしょう。そのため、日本国民はイラク人が受けている被害をよく知らないままになります。しかし、こうしたことの積み重ねが、次の展開を生んでいくものなのです。本来、よく見ておくべきことなのです。