パキスタンで大規模な爆弾テロ発生

2008.9.22



 パキスタンで起きたマリオットホテル爆破事件について、military.comが報じています。この事件では、外国人が多く利用するホテルが狙われたことから、イスラム過激派の反抗であることは疑う余地がありませんが、犯行声明はまだ出ていません。

 死者は少なくとも53人、負傷者は250人。この数字はこれからもっと増えるでしょう。爆発でできたクレーターは深さ30フィート(9.1m)。爆発物の重さは1トン。爆発物を積んだトラックは、ホテルから60フィート(約18m)離れた入り口の重たい金属製の防壁の前で爆発しました。

 アナリストは、この攻撃はパキスタンとアメリカの協力関係を終わらせろというパキスタン政府への警告であると述べています。テロリズムの研究家エヴァン・コールマン(Evan Kohlmann)は、アルカイダかパキスタン国内のタリバン(Tehrik-e-Taliban)だと主張します。マリオットのようなホテルは、西側の外交官や情報機関の職員のための兵舎として使われているために狙われていると、彼は言います。

 パキスタンとアメリカの関係はとても不思議な状態に入り込んでいます。先日、紹介したように、アフガニスタン国境から越境してくる米軍は攻撃することにしましたが、米軍との協力態勢は維持しています。別の記事によれば、パキスタン空軍は、ネバダ州のネリス空軍基地で来年行われるレッドフラッグ演習に参加するよう招かれています。この演習は戦闘機の空中戦の技術を向上させるために行われます。参加するかどうかは、パキスタンが決定します。このように、同盟国の戦闘技術を向上させる努力を払うのが、アメリカのやり方です。日本の自衛隊も、この方法で増強されてきました。その一方で、アメリカのやり方にはパキスタン政府の中からも批判が出ています。この微妙な関係にアルカイダとタリバンが入り込むと、混乱が一層深まるかも知れません。一般的な軍事作戦と違い、こうしたテロ攻撃の未来を予測するのは困難です。この先、どんな動きが起こるのかは、本当に闇の中です。


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