military.comによれば、ロバート・ゲーツ国防長官が来年春までに、さらに3個戦闘旅団がアフガニスタンに派遣されるかも知れないと述べました。各旅団は約3,500人の兵士を擁します。
2年前、アフガンにいる米軍は21,000人に足りませんでしたが、現在は31,000人以上います。米軍の将官は来年初期にさらに10,000人が必要になると述べました。イラク派遣には151,000人の兵士が関与しており、アフガンへ送る兵の余裕はありません。統合幕僚議長マイク・マレン海軍大将はしばしば(Adm. Mike Mullen, chairman)は、「アフガンではできることを、イラクではしなければいけないことをする(In Afghanistan we do what we can, in Iraq we do what we must.)」と述べています。しかし、この方針には変化が起こりかけています。次期大統領が誰であれ、戦闘の主眼はイラクからアフガンに移ることになりそうです。この変化は、大統領候補バラック・オバマに有利に働くはずです。ジョン・マケイン候補は、イラクにこだわる限り、不利を挽回できないでしょう。
別の記事によると、米軍兵士が協力的なスンニ派の指導者ジャシム・アル・ガロット(Jassim al-Garrout)を誤って射殺しました。ガロットは米軍に対する待ち伏せ攻撃の場所へ向かった時に殺されました。バグダッドから北西へ110マイルにあるシニーヤ(Siniyah)で、米軍部隊がIEDと小火器による攻撃を受けました。米兵は武装勢力を探すために、付近の家を捜索していましたが、ガロットが家に入ってきたのを誤射したのです。ガロットは自警組織「イラクの息子」の指導者でした。米軍広報官によると、米兵はスンニ派のメンバーに、敵味方が分かるように、家の外にいるように警告していました。ガロットの仲間は米軍に謝罪を要求しています。この謝罪は実現するでしょう。記事には書かれていませんが、イラクの息子のメンバーには、一目で敵味方の識別ができる制服のようなものはないのかも知れません。
military.comによると、パキスタン兵と地元民がアフガニスタン国境で、米軍のものと思われる無人機を撃墜しました。匿名のパキスタン高官によると、無人機は南ワジキスタン(South Waziristan)のジャラル・ケール(Jalal Khel)を数時間旋回した後で撃墜されました。パキスタン陸軍もあとで無人機の残骸を回収したと述べました。アメリカはこの事件を承知していないとしています。銃撃による撃墜のようですから、戦術用の小型無人機を撃墜したのでしょう。兵士だけでなく、無人機もアフガン国境を越えればパキスタン軍の攻撃対象になるようです。兵士を送れなくなったので無人機を送った、といった背景までは分かりません。当面、米軍はパキスタン軍を刺激しないように、越境作戦は避けるでしょう。それが情勢にどういう影響を与えるかが問題です。アフガンでのテロ攻撃が増えるようなら、米軍はパキスタン軍と協議の場を設け、何らかの解決策を模索しようとするでしょう。