military.comによると、米陸軍が、今年は兵士の自殺が去年よりも増える見込みだと発表しました。
8月待つまでに現役の陸軍・州軍・予備役の兵士62人の自殺が確認されています。他に、自殺を疑われて調査中の31人がいます。この全員が自殺と確認されれば、今年の自殺者数は、昨年の115人を上回るでしょう。
昨年は10万人あたりの自殺者数は18.1人でした。これは1980年に陸軍が記録を取り始めてから最高値です。2006年は17.5人、アフガニスタン戦が始まってから最初に完全な1年が経過した2002年は9.8人でした。今年の率はまだ計算されていませんが、傾向か継続すれば19.5人を上回ると予想されます。疾病管理予防センターによると、米軍人の2004年の自殺率は10万人あたり11人でした。陸軍によれば、陸軍の中に存在する年齢と性別で見た場合、民間人の自殺率は10万人あたり19.5人に近い値です。陸軍よりも年齢層が若く、男性が多い海兵隊の2007年の自殺率は、10万人あたり16.5人でした。海軍は10万人あたり10人を少し越える数です。
今年に入ってから、自殺率は過去最高になる見込みだという記事が出ていましたが、その通りの傾向で推移しているという記事です。年々、じわじわと上昇してきているのは不気味です。軍も色々な手を打っていますが、根本原因が戦闘によるストレスですから、解決は困難です。
しかし、今年で民間人の自殺率と同等になるという話には驚かされます。日本人の自殺率を調べてみたら、警察庁発表の2007年の数字が25.9人、厚生労働省発表の2006年の値が23.7人です。だからと言って、米陸軍の状況を楽観視することはできません。薬物中毒やホームレスなど、自殺に至らない問題を抱え込む元軍人が、現役軍人の背後にいるからです。