前国務長官コリン・パウエル(Colin Powell)は、アフガンはイラクよりもずっと難しいと述べました。「イラクは中産階級を持っていました。サダム・フセインが支配する前に、イラクはかなり進歩した国でした。一方、アフガンは基本的には部族社会であり、汚職が横行し、薬物は何もしなければ国を破壊しようとしています」。34,000人の米兵がすでにアフガンにいます。タリバンの戦士は3億ドルと見積もられる薬物取引の利益で養われており、オバマ画像はする部隊は彼らと戦うことになります。彼らの多くは200,000平方キロに散開した村の中で、田舎の人びとの中に分散しています。問題は追加の30,000人が十分かどうかだと記事は問いかけます。戦略国際問題研究所のアフガン専門家カーリン・フォン・ヒッペル(Karin von Hippel)は、こう述べます。「私は、これは実質的な増派ではなく、心理的な増派だと考えます。アフガンには、NATO、アメリカ、アフガンの兵士を合わせると、兵数はイラクの600,000人に対して200,000人です。この数はとても低いので、追加の30,000人は必要とするところに配備できるようにはならないでしょう。それは間に合わせの分量です。それでも何もないよりはましです」。一部の外交専門家は、オバマの政策はブッシュの政策の延長であり、違いはアメリカ人の命をもっと危険にさらすかも知れないと主張します。専門家の意見はほかにも引用されていますが、全体的に増派の効果に否定的な意見が掲載されています。
もう随分前ですが、ブッシュ政権がイラク侵攻を決めた後で、私はこれでテロ組織を追い込む貴重な機会が失われたかも知れないという見解を書きました。しかし、その時点でもタリバンに守られたアルカイダを壊滅するのは極めて難しいと考えていました。それが散々遅れてアフガンに軸足を移すことになったとしても、すでにチャンスは失われているかも知れません。「遅きに失した」ということです。面白いことに、ジョー・バイデン副大統領(Vice President Joe Biden)は、アフガン増派でさらなる犠牲が出る可能性を指摘しています(記事はこちら)。オバマ政権も自分たちの決断の結果をよく承知しているのでしょう。…ちょっと時間が足りなくなったので、ここまでにします。
Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.