military.comによれば、アフタにスタンのガソリン価格は1ガロン(約3.785リットル)あたり400ドルに跳ね上がり、米国防総省はこれを「完全に重荷になった燃料費(fully burdened cost of fuel)」と呼んでいます。
アフガニスタンは西をイランに、南と東をパキスタンによって海から隔てられており、北はトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンによって境界が隔てられています。陸路で燃料を運べば、敵の攻撃を受けます。政府説明責任局(Government Accountability Office)の報告では、2008年6月だけで、攻撃やその他の災難により、バグラム空軍基地に燃料を運ぶトラック44台と220,000ガロン(約832.7キロリットル)の燃料が失われました。ヘリコプターで運べば待ち伏せを避け、素早く運べますが、コストを押し上げます。こうした結果、ガソリンの価格は法外なまでに跳ね上がったのです。この数字は、米国防総省の会計検査官が、アフガンに米兵1,000人を派遣するごとに10億ドルの費用がかかる理由を説明するよう命令したあとで出てきました。
このガソリン価格を、昨日の為替レート「1ドル=90.74円」で試算すると、1リットルあたり約9,589円という、とんでもない価格であることが分かります。1リットルがほぼ1万円の世界です。このガソリンを燃費が悪い軍用車両や航空機が使っているわけです。これこそ私が長らく知りたいと思っていた数字です。ついでに、基地の売店で売っているコーンチップス「ドリトス」の輸送にもどれだけの費用がかかり、兵士にいくらで販売しているのかも知りたいところです。国家に貢献している兵士に、割高な「ドリトス」を売りつけることはできないでしょうから、多分、定価かそれ以下で売っているのでしょう。しかし、商業ベースならそんな値段では売れないほどのコストがかかっているはずです。こうしたコスト計算は軍隊では無視されがちです。しかし、武器が複雑化し、高額商品となった現在、コスト計算は無視できなくなりましたが、それはまだ政治上の考察に組み入れられていません。なぜか、どの国もコストを度外視して戦争をするのです。 おそらく、戦争の本当のこすとを知れば、誰もが開戦をためらうはずです。自衛隊のサマワ駐屯地の経費も、こんな風に分析してみたいものです。そうすれば、小泉純一郎の「テロに屈するな!」という叫びに同調した人たちも、少しはものを考えるようになるというものです。今後は、軍事と経済の専門家が共同研究をすべきとも言えます。