東倉里のロケット発射施設が完成

2009.10.27

 spacewar.comによると、北朝鮮が東倉里で建設を進めていたロケット発射施設が完成したと聯合ニュースが報じました。

 韓国の複数の当局者によると、「建設は完成したといってよい」状態で、「必要な施設はすべてここにある」「北朝鮮はブースターのようなロケットの部品を、平壌から北西200kmにあるこの施設でテストしている」「これは北朝鮮の弾道ミサイル開発における飛躍です」とのことです。

 以前に書いたとおり、そろそろ東倉里もロケットの打ち上げには向かない気象状況になります。少なくとも、来春までは打ち上げはないでしょう。韓国当局者の「必要な施設はすべてここにある」という言葉に、私は吹き出してしまいました。確かにそうですが、本当に必要な施設しかないのが北朝鮮のロケット発射施設なのです。舞水端里の施設もほとんど同じです。他の国の発射施設は、もっと大規模です。実際にどれだけ飛躍できるのかは、私には疑問です。北朝鮮がテポドン2号のようなロケットを安定して打ち上げられるようになるには、まだ時間がかかると、私は考えます。

 また、以前にも説明しましたが、読んでいない方のために、この施設の意義をもう一度説明します。施設を2カ所に作ったのは、北朝鮮の地勢上、赤道上を移動する静止衛星や傾斜軌道角(赤道と人工衛星の軌道がなす角度)を持つ人工衛星と、南極と北極の間を移動する極軌道衛星を、他国の領空を侵犯しないで打ち上げるには、少なくとも2カ所の発射施設が必要です。日本は種子島の宇宙センターから両方の人工衛星を打ち上げられるので、1カ所で済んでいるわけです。東倉里の施設が最初に報じられた際、開発の速度が早くなると書いた新聞がありましたが、2カ所に施設を造れば、打ち上げ回数が増えて、開発の速度が増すというわけではありません。ロケット開発は打ち上げを行っては問題点を直していくプロセスを辿るので、発射施設を増やしても、そうはならないのです。

 ところで、夕方のニュースで、北沢防衛大臣がインド洋上の給油活動を止めた後で、ソマリアの海賊対策のために洋上給油活動を行うことを検討していると報じられました。強い失望を覚えました。これについては、明日、さらに書くつもりです。


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