military.comによれば、オバマ大統領はアフガニスタンで必要とされている戦略と資源についてまもなく発表を行うと、ジェフ・モレル国防省報道官(Pentagon Press Secretary Geoff Morrell)が述べました。
この記事によると、ロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert M. Gates)もマクリスタル大将(Gen. Stanley A. McChrystal)の戦略を支持しています。先日報じられた記事では、オバマ大統領はオリンピック招致のデモンストレーションのためにデンマークを訪問した際、大統領専用機の中で25分間、マクリスタル大将と会談しました(記事はこちら)。それに続き、民間と軍の指導者と連続3時間の会議を行いました(会議のメンバーは今回の記事に書かれています)。
おそらく、この会議あたりまでに新方針の大枠は決まったと、私は想像します。最終的には増派の方向で決定が出されると想像できます。政治指導者も特に有効な方針を示せませんから、ここは現場の意見を通すことになるでしょう。しかし、これで万事うまくいくとは思えません。これまでもうまく行かなかったものが、増派で好転するはずがありません。イラクにおける同種の試みも成功を確信できないままに閉じようとしています。先日、バグダッドにあるグリーンゾーンの緊急治療室が閉鎖され、撤退の準備は徐々に進められています。この記事で一番違和感を感じたのは、マクリスタル大将がアフガン人が米軍とNATO軍を侵略者とみなさないと述べているとモレル報道官が述べたことでした。あまりにも楽観的な意見です。イスラム諸国では大多数が、同時多発テロはアメリカの陰謀だと信じています。つい最近、パキスタンにある国連の世界食糧計画の事務所で自爆攻撃が行われました。イスラム信者のアメリカに対する不信感は、もはや定着したと言えます。いまから、この障壁を取り除くのは不可能といえるほどです。
なお、アフガン戦略が決定された後には、時期を見て、米軍の同性愛差別問題の解消にオバマ政権が乗り出す見込みです(記事はこちら)。動きが現れるのは、来年早くと見込まれています。行動としては、1993年の「don't ask, don't tell」政策、つまり自分が同性愛者であることを隊員が公言しない限り、軍は在籍を認めるという政策を撤廃することが目標です。クリントン政権は同性愛差別撤廃を公約に掲げましたが、自らのセックススキャンダルが祟って果たせず、かわりに「don't ask, don't tell」政策を設けました。しかし、これでは自宅では偽名を使わなければいけないなど、通常の社会生活を営む上で支障があるとのことで、同性愛者たちから批判が行われてきました。さらに、対テロ戦争により、規則通りに同性愛者を除隊させる余裕がなくなってきたため、米軍は同性愛差別撤廃に向けて舵を切ってきました。記事によると、昨年、米軍は634人(現役兵の0.045%)を同性愛を理由に除隊させました。これが最も多かったのは2001年で、除隊者は1,227人(現役兵の0.089%)でした。