アフガン北部で住民がタリバンに抵抗

2009.11.20

 spacewar.comによれば、アフガニスタン北部の(Kunduz province)のクンドゥズ州の村がタリバンに対して武器を取って抵抗しています。

 クンドゥズ州は9月にNATO軍が行った誤爆で民間人90人が死亡した場所です。この州のカラ・イ・ザル地区(Qala-i-Zal district)の長老、アブドル・ジャルイル・タワカル(Abdul Jalil Tawakal)はこう述べています。「我々はタリバンにうんざりしています。タリバンと国際部隊の両方が我々を殺しており、それは多すぎました。だから、我々は銃を取り、タリバンを村から追い出しました。いま、我々は平和に暮らしています」。今年早くにタジキスタンからの米軍とNATO軍の燃料などの補給路が開設されて以来、この地域はタリバンの注意をひきました。しばしば数百台のトラックになる大規模な輸送部隊をタリバンが攻撃し、国際部隊が反撃して、この地域は十字砲火に陥ります。9月の誤爆で状況は最悪となりました。住民はタリバンがチャーアー・ダラ(Chahar Dara)に「影の政府」を作り、紛争の解決や徴税を行っているといいます。クンドゥズ州のモハマンド・オマル知事(Mohammad Omar)は、高い失業率、保安部隊がなく、再建プロジェクトがないことが、タリバンの浸透を助けたといいます。ほとんどの若者は失業しており、タリバンはそれを利用しています。「州全体で警察官が1,000人しかいません。これは不十分です。タリバンの攻撃はこの3年間で60人の警察官を殺しました」と述べました。オマル知事は、追加の保安部隊と資材が適所に配置される限り、この地域の統制を取り戻すのは遅すぎないと言いました。

 珍しくよいニュースが出たのでお知らせします。このように、地域住民が反対するとタリバンも活動が難しくなるわけです。しかし、これはタリバンの主力がいない北部での話です。カンダハル州やヘルマンド州で同様の動きが起きるならば、国際部隊の支援がある限り、タリバン勢力を撃退できるかも知れません。つまり、地元部族が小火器で戦い、あふがん軍・警察が加勢し、米軍やNATO軍が支援火力を提供するのです。航空機が間違って地元の部隊を誤爆したりしない限り、この連合組織は強力な力を発揮します。この記事にはチャーアー・ダラにあるという影の政府を壊滅したとは書いてありません。まだ、タリバンへの反抗は十分ではありません。また、タリバンも反撃するはずですから、今後とも我々は観察が必要です。効果をあげるために、こうした活動を行う地域に支援を重点的に提供するのも手です。

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