military.comによれば、前回紹介した、前ブラックウォーター社によるCIAの無人偵察攻撃機プレデターの計画支援は、プレデターにミサイルを搭載する任務であり、今年早く、レオン・パネッタCIA長官(CIA Director Leon Panetta)は、この契約を解約し、政府の要員に作業を移しました。
2008年1月28日以来、パキスタン情報当局者と空爆の目撃者によると、パキスタンでは少なくとも67件のミサイル攻撃がありました。権限がないため匿名を希望した当局者によれば、パネッタCIA長官は何ヶ月も前に、ブラックウォーター社の警備員を警備関係の仕事だけにつかせる命令を出しました。CIA広報官は「現時点で、ブラックウォーター社は警備や支援の役割以上のCIAのいかなる作戦にも関与していません」と述べました。Xe Service社(ブラックウォーター社の現在の社名)はこの件に関してコメントしておらず、金曜日には「ブラックウォーターは秘密の急襲に関与する契約は結んでおらず、報道は誤り」と述べました。
記事にはこれまでの経緯を含めて色々なことが書かれていますが、肝心なのは訳出した部分です。正直なところ、呆れたという感想です。私は情報分析のような、もっと専門的な作業にブラックウォーター社が関与したのだと考えていましたが、それがミサイルの取り付けとは思いませんでした。
CIAとブラックウォーター社が結託して、この外注作業を作り出したのはないかと、私は推測します。ミサイル取り付けのような作業を外注に出す必要がどこにあるのかが疑問ですし、こうした業務を企業側が需要を予測して、技術を持つ者を雇用し、あらかじめ準備していたとは考えにくいのです。CIAとブラックウォーター社が計画的に業務委託を企画し、技術者を集めたとしか思えません。それもメンテナンス全般ではなく、ミサイルの取り付けだけという点がひっかかります。これは何か理由があるのでしょう。こうして前例を作り、次第にメンテナンス全般を請け負うような下地を作ろうと考えたのかも知れません。プレデターは空軍とCIAの両方にチームがあり、業務の経験がある者は双方にいます。おそらく、CIA出身者ばかりを集めたのでしょう。計画的に彼らを退職させ、人員不足の状態を作り出せば、外注の必要性が生じます。これだけで、新しい市場が作り出せるのです。これは一種の虚業であり、まさにアメリカ版の「天下り」といえます。