military.comによると、イラク北部キルクーク、ティクリート、モスルを担当する米陸軍指揮官であるアンソニー・キュコロ少将(Maj. Gen. Anthony Cucolo)が、自身の指揮権で軍事裁判にかけられる理由に「妊娠」を追加しました。これは戦時中の女性兵士の妊娠に関する珍しいニュースです。
新方針は妊娠した女性と、彼女を妊娠させた男性の両方に適用される見込みです。同時に軍属もこの方針の下で刑事訴追されるでしょう。従来、陸軍は妊娠した女性を戦場から帰国させていましたが、新方針の下では軍法によって処罰されます。キュコロ少将は11月4日に約20件の命令を出しており、その多くは武器の販売や薬物使用などの犯罪を防止することを狙っていますが、その他の制限規則は、兵士が妊娠したり、派遣を妨げる外科手術を受けたりして、部隊を人員不足にすることを防ぐことを狙っています。また、新方針は、イラク人とのいかなる種類でも性的接触を禁止し、結婚していたり、明確に結婚する約束をしていない限り、異性の隊員と一夜を過ごすことを禁止しています。
海外派遣が長期化すると必ず起きるのが、この女性兵士の妊娠です。北朝鮮から韓国に亡命した軍人の話で、部下の女性兵士が妊娠したときの苦労話を読んだことがあります。海外に配備されている米兵の恋人同士が、女性を妊娠させ、それを理由に帰国するシナリオが相談される可能性は高いでしょう。こうした方針が示されたことは、過去に事例があるのでしょう。特に、イラク人との接触が禁止されていることは、実際に実例があったものと考えられます。軍法がない民間軍事会社が売春婦を居住区域に運び込んで問題となったことがありますが、性の問題は軽視されやすく、特に軍人は侮辱すべきではないという道徳により、取り上げられにくい問題でもあります。しかし、こうした問題が浮上したことは、長期的には戦争の状況変化だと言うこともできます。戦後、日本人はアメリカで市民権を得ることができなくなりましたが、1947年には占領軍の兵士が日本人女性と結婚し、帰国する際に女性に米国籍が認められたのです。つまり、こうした話が出ることは、何かの変化を示すものかも知れないのです。今後、関連する情報に注意を払うと、興味深いことが分かるかもしれません。