ビンラディンはどこにいる?

2009.12.8

 military.comによれば、国家安全保障補佐官が、米政府はアフガニスタン・パキスタン国境に沿った山岳地帯に潜伏すると信じられるオサマ・ビンラディンに対して、新しい捕獲の努力を始めるだろうと述べました。military.comの別記事では、彼はビンラディンがアフガン国内にいる可能性も指摘しています。

 国家安全保障補佐官ジェームズ・ジョーンズ(U.S. national security adviser James Jones)は、インタビューで現政権がアルカイダの指導者を追跡する新しい試みを計画しているかと尋ねられ、「そう思います。我々はアルカイダを表す非常に重要なシンボルが逃げ回っているのか捕まったかについてもう一度明らかにするよう追求するつもりです」と答えました。最新の諜報報告では、ビンラディンは北ワジキスタンのどこかで、極めて険しく統治されていない山岳地帯に隠れて、パキスタン側とアフガン側を行き来しています。ジョーンズ補佐官はビンラディンが若干の時間をアフガン側で過ごしているかも知れないと述べました。一方、ロバート・ゲーツ国防長官(Defence Secretary Robert Gates)は日曜日に、ワシントンはビンラディンの居場所を知らないし、何年も彼の居場所に関して信頼できる情報はない、もし彼の居場所を知っているのなら、我々は彼を捕まえに行く、と述べています。ジョーンズ補佐官は見解の根拠となる情報については述べず、ビンラディンの越境に関する時期やそれ以上の詳細については述べませんでした。記事にはこれまでのビンラディン捜索の経緯なども書かれていますが省略します。

 ジョーンズ補佐官の発言は明らかにリップサービスです。特に新しい作戦が行われていると納得できる情報は記事には含まれていません。 どう見ても、記事になるような内容ではないことが、間違って報じられたのです。北ワジキスタンはパキスタン政府の統制外にあり、だからビンラディンのような人物がいてもおかしくないという程度の話です。こんな仕方のない話をしている余裕は、アメリカにはないはずです。これでは、逆に不安が深まるだけで、何の益もありません。ビンラディンの捜索は継続的に行われているはずですが、無人偵察機を使っても、居場所が分からない人物を捜し出すことは、よほどの幸運が味方しないと無理です。

 なお、military.comによれば、ジョン・マクヒュー陸軍長官(Secretary of the Army John McHugh)とジョージ・ケーシー・Jr参謀長(Chief of Staff Gen. George Casey, Jr.)が共同で、すべての将官、上級の幹部隊員、大佐、旅団及び大隊の指揮官、部隊最先任上級曹長、上級曹長にあててメッセージを出しました。 記事にはその全文が載っています。アフガン新戦略を考える上で重要なので、後で日本語化して掲載したいと思っています。


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