その下の最終組立施設の衛星写真では、30m×10mの建物が増設され、ロケットを運び入れるための道路が建物に合わせて新設されているのが分かります。2006年に撮影された写真と比較すると、どこが変わったかがよく分かります(写真はこちら)。この変化は2008年6月に最初に確認されました。最終組立施設では、完全にロケットを組み立てるのではなく、各段毎にチェックされます。そのために、ロケットを完成品と同じように並べる必要があり、ロケットの全長を超える長さの建物が必要です。元の施設の長さは54mでしたから、30m増設されたのと合わせると、最終組立施設の全長は84m程度になります。前回発射されたテポドン2号の推定全長は35.5mです。日本のH2Aロケットの全長が53mということを考えると、90mという施設の大きさは、かなり大きなロケットにも対応できる施設であることを連想させます。
その下の衛星写真は発射台の近くに燃料注入施設が増設されたことを示しています。燃料を事前にここに備蓄していれば、打ち上げ準備の際の燃調注入作業を、より早く、より安全に行えます。この施設がない場合、タンクローリー車を何台も使って、何度も燃料ホースを付け替えながら作業を行う必要があります。
写真を3つ飛ばした位置に、トンドン波止場の衛星写真があります。45m長の波止場は大型の物資の搬入口であると考えられます。小さな漁村には似つかわしくない巨大な波止場です。あまり水深もなさそうな港なので、艀を使って搬入していると推測されます。
以上が重要な変化についての解説です。今回の改造を持ってしても、舞水端里の発射施設としてのレベルはそれほど高くはありません。
他にも興味深い記事が出ていますが、手が回りません。それらも時間があったら、紹介したいと思っています。