本日も時間がないために簡単に記事を紹介します。military.comによると、スワト峡谷(Swat valley)の和平協定が成立し、タリバンとパキスタンは、同地でシャリア法を施行するのと引き替えに戦闘を停止することになりました。同時にタリバンは誘拐していた人たちを釈放します。
スワトはパキスタンで唯一のスキーリゾートです。停戦発表後、少年少女が通う学校が再開されましたが、危険を恐れ、出席は僅かでした。武装勢力はスワトの少女の学校122校を含む、191校を破壊しています。
記事には色々と書かれていますが、要するに、この停戦が永続的なものかどうかが不透明なこと、これを足がかりにタリバンがパキスタン国内で勢力を拡大しようとするという懸念が、誰もが考えることでしょう。アルカイダにとって、イラクから主戦場をアフガニスタンに移してから、さらに活動する場所が欲しいのは当然です。アフガンに連合軍が集中しているのなら、隣国のパキスタンにも足場を作りたいと考えるはずです。他にも中央アジアにはイスラム教が信仰され、政治的に不安定な地域もあります。パキスタンからインド方面へ向かう戦略と、北部地域からロシア方面へ向かう戦略が考えられるのです。インドには数は少ないもののイスラム教徒がおり、すでに列車爆破事件が引き起こされ、アルカイダ系組織の犯行とみられています。アルカイダの仕事は、こうした将来の戦場を開拓することで、タリバンがアフガンで戦っている間、近隣諸国にテロの種をまいているはずです。だから、目を向けるべきなのは、和平の実現ではなく、パキスタン国内で、これから何が起こるかです。