military.comによれば、米陸軍と海兵隊はイラクに侵攻する以前の十年近く前から、ハンヴィー(Humvee)はIEDに対抗するために装甲を強化しても、兵士の死亡を防げないことを知っていました。
米国防総省の監査官は、1991年の湾岸戦争と1994年のソマリアが終わるまでに書かれた報告書は、IEDと地雷の破壊的な効果を防ぐ装甲車両の開発を勧告しましたが、国防総省は役目を果たすのを失敗したと書きました。1991年と1994年の報告書の結論は、12月に公表された報告書の1ページ分の要旨には載っていませんが、後日、報告書の全文が政府監視グループ「the Center for Public Integrity」のウェブサイトに掲載されました(記事はこちら。pdfファイルはこちら)。
装甲を強化する改造キットを使っても、ハンヴィーは「平らな車底、軽量、低い車高、アルミ製のボディが原因で、IEDに対する脆弱性を克服できないと、監察官は結論しています。私は以前から繰り返し、ハンヴィーはいくら改造してもIEDに対抗できるようにはならないと書いてきましたが、米軍はそのことを知っていたことになります。これも兵器の欠点は放置されやすいという軍隊の特徴のひとつです。自衛隊にも類似した車両があり、それをイラクに派遣していました。派遣隊がIED攻撃で被害を受けなかったのは幸運でした。
military.comによると、兵士がこれ以上重たい装備品を背負うのを懸念し、米軍は改良型の防弾着を新型の防弾プレートの重量が軽減できるまで要求しない見込みです。陸軍は今年改良型の防弾プレート120,000セットを購入する予定です。その初期購入品、「XSAPI」として知られる防弾プレートはクゥエートに保管されており、指揮官が必要とすれば利用できます。先週、国防総省監察局は、性能テストが不適切だったとして現行の防弾プレート「ESAPI」の品質に疑問を示しました。陸軍はこの結論に異議を唱え、「ESAPI」を入手可能な最高の防弾具で、イラクとアフガニスタンで命を救っているとしています。この記事は少し長いので簡単に説明しますが、「ESAPI」のプレートの重量はサイズにより様々ですが、平均して5.5ポンド(約2.5kg)で、「XSAPI」のプレートの重量は0.5ポンド多い、6ポンド(約2.7kg)です。200gの差でも、他の装備品の重量を考えると問題だというわけです。どうにも、米軍には防弾ベストの問題を解決する気がないように見えます。最低限の工夫しかしようとしないのも、やはり兵器の欠陥が放置されやすい問題といえます。
少し前の記事になりますが、対戦車兵器や榴弾砲が発射される時の衝撃が脳組織に軽度の損傷を与えるという研究結果に基づき、スエーデン陸軍が1日に兵士が曝される発砲数を制限することになったと報じられています。
スエーデン軍が兵器の問題に積極的に取り組んでいるのに、米軍はなぜやる気がないのかが疑問です。
精神医療の問題も浮上しています。2005年以降、イラクとアフガンで死亡したユタ州兵の人数は2人です。しかし、自殺者は10人もいたという衝撃的なニュースをmilitary.comが報じました。2008年、128人の兵士が自殺し、別の15人が死因を調査中です。陸軍長官ピーター・グレン(Army Secretary Pete Geren)は次のように述べています。「なぜ(自殺)数が増えるのでしょうか?。我々は答えることができませんが、陸軍全体、我々はこの問題に取り組めるすべてのことをすると決心しているということができます」。去る1月、米軍では24人が自殺し、同じ時期にイラクとアフガンで戦死した兵士の数を上回ったという記事もあります。