space-war.comによれば、韓国国防省は、北朝鮮がテポドン2号打ち上げと同時に、両国の境界線上で限定的な衝突を演出する可能性が高いと主張しました。
「北朝鮮がミサイル発射に国際的な注意が集まった後で、いくつかの地域で挑発行為を演出する十分な可能性があります。アメリカのオバマ政権が早期に二国間交渉を起こす圧力をかけている間、北朝鮮は韓国において内部抗争を煽ろうとしているようです。」と国防省は主張し、北朝鮮が短距離ミサイルを黄海の境界線付近へ発射したり、軍事境界線(38度線)で限定的な挑発を行うかも知れないという見解を明らかにしました。
当初は北朝鮮のロケット技術を過大評価した見解ばかりでしたが、このところ、韓国から出る情報がどんどんまともになってきています。テポドン2号に対する注目を最大限に集めるため、北朝鮮が限定的な挑発行為を行う可能性は十分にあります。その兆候はすでに出てきており、領空付近の民間航空機の飛行について脅迫したり、国際機関の食糧援助を拒否して、周辺国にチキンレースを挑んでいます。北朝鮮は過去にも同種の挑発行為を繰り返してきました。アメリカがテポドン2号を迎撃すると言ったり、日本がPAC-3を配備すると言えば、北朝鮮は脅迫が効いていると考え、一層、挑発を強めるかも知れません。これが逆に「宇宙開発は国家の権利です。ロケット打ち上げの成功をお祈りします」と言ったら、北朝鮮は困ることになるでしょう。military.comによると、米上院議会でティモシー・キーティング海軍大将(Adm. Timothy Keating)が、テポドン2号を高い確率で撃墜できると明言しました。space-war.comの別の記事では、日本のPAC-3配備についても報じています。
しかし、迎撃ミサイルの確実性はまだ十分に証明されておらず、人工衛星ロケットを撃墜することも前例がありません。封じ込め政策は、相手国を本当に封じ込められる時だけに有効で、逃げ道を残した封じ込めは失敗に終わるのが常です。北朝鮮には外国を相手に戦争をするような力はありません。それを考えると、現在の日韓米の対策には「落としどころが見えない」という問題があります。もはや迎撃を行わないと、それ自体が北朝鮮の宣伝材料となる段階に来ています。迎撃を行っても、失敗すれば、やはり北朝鮮の宣伝材料となります。迎撃に成功した場合も、やはり「やりすぎ」との批判が後に残るでしょう。どの場合も、願うような効果が出ないことについて、オバマ政権内で議論が行われているのかが気になります。