IED探知システムが開発される

2009.3.24



 space-war.comによれば、テネシー州とデンマークの研究者の共同研究により、IEDを探知する技術が開発されました。

 これは爆発物から出る微量の気体を探知することで、爆発物か否かだけでなく、TNT火薬(TNT)、四硝酸ペンタエリス(PETN、信管などに使用)とトリメチレントリニトロアミン(RDX、プラスチック爆弾の主要成分)など、爆発物の種類までも特定できる技術です。微量の物質をイオン化させ、電解をどれだけ早く移動するかを測定する従来のイオン易動度分光測定式探知器(ion mobility spectrometry)は、高速、敏感で、信頼性が高いものの、大型で、高価という問題を抱えていました。そこで、化学物質がセンサーに接すると微少な運動を起こすことから、そこから生み出される固有の電気信号を解析することで爆発物を特定する方法が研究されていました。しかし、この方式は微量なTNT火薬と微量なガソリンの区別をつけられずにいました。今回、このセンサーを改良し、600ピコグラム(1グラムの1兆分の1)の爆発物を解析できるようにしたのです。

 新センサーの原理も記事に書かれていますが、専門家ではないので私には正確に理解できません。このセンサーが実戦で役に立つかどうかは不明です。原理だけでは、どのような場合に使用できるのかが分かりません。どれだけ離れた場所から探知できるのか。どれだけの時間が探知にかかるのか。走行中の車から前方の道路脇に埋められたIEDを探知できるのか。こうしたことが分からないと評価はできません。しかし、原理から推測すると、ごく近くにあるIEDしか探知できそうにありません。工兵隊がIEDを捜索するのに使えるだけなら、爆発物探知の殉職を心配しなくて済む程度の効果しかないでしょう。走行中の車両がIEDで狙われるのは防ぐことはできません。IED問題の解決は依然として不定のままと見るべきです。


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