大統領搭乗ヘリの情報がネット流出

2009.3.3



 military.comによれば、防衛契約企業のコンピュータシステム内のファイル共有ソフトが、大統領が搭乗するヘリコプター「マリーンワン(Marine One)」のデータを流出させました。

 ティヴァーサ社(Tiversa)の最高経営責任者ボブ・ボバック(Bob Boback)によれば、青写真と航空電子工学に関する情報がテヘランのコンピュータネットワークの中から発見されました。同社はこの情報を、明らかに社員がファイル共有ソフトをダウンロードしたメリーランド州の企業まで追跡しました(社名は記事には書かれていません)。同社はこの件を米政府に通知しました。ボバック氏は、イラン、中国、パキスタン、カタール、イエメンがファイル共有ソフトで入手できる機密情報を探しているように思われると述べています。

 マリーンワンは大統領が海兵隊のヘリコプターに搭乗する時のコードネームで、固定翼機「エアフォースワン」の回転翼機版だと言えます。洞爺湖サミットで、ブッシュ大統領は他の国家元首と違い、自分で持ち込んだヘリコプターを使いましたが、それがマリーンワンです。マリーンワンには通信機材が積み込まれていて、大統領が常に外部と連絡が取れるようになっています。その通信機材に関する情報が流出したのなら大変な問題ですが、情報の内容までは書かれていないため、どの程度の被害なのかは判定ができません。日本ではファイル共有ソフトで軍事機密が流出する事件は何度か起きていますが、アメリカでは珍しいことです。


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