military.comによれば、パキスタンのスワト峡谷(Swat valley)でパキスタン兵2人が武装勢力との銃撃戦で死亡し、初の停戦違反が起こりました。
事件当時、パキスタン兵は水を積んだタンクローリーを警護し、スワト峡谷のマッタ地区(Matta district)にいました。銃撃戦は約1時間続き、3人の兵士が負傷し、その内2人が後に医療施設で死亡しました。スワト峡谷の武装勢力の指導者マウラナ・ファズーラ(Maulana Fazlullah)の広報官ムスリム・カーン(Muslim Khan)によれば、兵士たちが事前通告なしに通行したので攻撃を行ったとのことです。カーンは、軍隊が移動する前に事前通告を行うことは停戦合意で定められていると述べました。また、武装ヘリコプターによる攻撃も受けたと主張しますが、パキスタン軍はヘリコプターの使用を否定しています。また、別の当局者は、この攻撃は停戦に反対した武装勢力の指揮官イブネ・アミーン(Ibne Ameen)配下の者によって行われたと主張します。
事前通告に関してどちらが正しいことを言っているのかは、記事には書かれていませんが、パキスタン軍は自分たちは停戦合意に従っていると主張しています。アミーン配下の者が攻撃したのなら、この停戦合意には明確な妨害者がいることになります。今回の事件は、停戦の継続性に関する重要で最初の情報です。
なお、パキスタンのラホール市で、スリランカのクリケット代表チームが乗ったバスが襲撃を受ける事件が起こりました。なぜか犯行声明は出ていません。スリランカのテロ組織「タミル・イーラム解放のトラ」の犯行ではなさそうです。おそらくは、パキスタン国内の武装勢力のどれかで、特にアルカイダ系組織が疑われます。直接スリランカの内戦に関係がなくても、アルカイダのような組織は、他の組織の闘争に乗じて、自分の目標を攻撃することができます。今後、こうした動きが増える可能性も考えなければなりません。