NATOが中国にアフガン補給路を要請か?

2009.3.6



 military.comによれば、NATOもアフガニスタンの補給に関して、中国と協力を取り結ぶことを検討しています。

 この問題は現在NATO内で検討されていますが、決定は下されていません。中国は、ワハーン回廊(Wakhan Corridor・kmzファイルはこちら)にアフガンとの76km幅の国境地帯があります。ここはマルコ・ポーロが通ったこともある2千年来のキャラバンルートです。

 ワハーン回廊は補給路としては非常に厳しそうです。道路事情は悪いでしょうし、トラックへ燃料を補給するための拠点も設ける必要があります。特に冬が心配です。

 補給の問題は当然、NATOにも起こります。そこで、あまり仲のよくない相手とも手を結ぶことになるわけです。これは過去の戦争でも繰り返されたことです。皮肉な話ですが、戦争では、宿敵と戦うために別の宿敵と手を結ぶ必要があるのです。第2次世界大戦では、アメリカは手を結べるはずのないソ連と手を結びました。このため、ドイツ人からは、「我々が共産主義者と戦っているのに、なぜアメリカはそれを邪魔するのか?」と疑問の声があがったといいます。一人勝ちができるのは、極めて限定された環境においてだけであり、それ以外の場合では、好ましくない協力関係も我慢しなければなりません。このことは、誰かが勇ましい戦争論を叫ぶ時に、その真偽を判断する有力な材料となるでしょう。こうした意見を叫ぶ人がいたら、それをするために好ましくない相手と協力関係を結ぶ必要がありそうなら、それを質問してみることです。その人が「考えてもみなかった」という顔をするなら、そんな意見は相手にしない方が賢明です。


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