テロ容疑者に約180回の拷問を実施

2009.4.22



 military.comによれば、アルカイダのテロ容疑者に対して行われた水責めが実に多数行われたことが、最近公表されたCIAの報告で明らかになりました。

 ハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)の水責めは2003年3月に183回行われ、アブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)の水攻めは2002年4月に83回行われたと、ニューヨーク・タイムスが報じました。モハメドとズベイダは二人とも同時多発テロやその他のテロ攻撃に関与したとされています。

 オバマ大統領は拷問を行ったCIA職員の責任を追及することは避けました。これは実態をある程度公表し、新しい政策へ舵を切るための手段です。責任を問えば、CIAは強く反発するでしょう。理想的とは言えないものの、早く拷問という問題から足を抜くには、これが一番よい手なのです。ディック・チェイニー前副大統領は、これに反発して、拷問が良質の情報を得た事実を公表するように求めています。

 しかし、この記事にリンクしたアンケートは驚くべき結果を示しています。(数字はアクセス時のものです)

最近公表されたCIAの覚書は、拘留者が尋問者に情報を提供するように仕向けるために数百回の水責めが用いられたことを伝えました。
国は9・11以降は攻撃されていません。どこが問題ですか?
76%
水責めは拷問です。それをすることは戦争の大儀をむしばみ、敵に対するモラルを低下させます。
14%
私はこの件について何とも言えません。水責めは有益な情報をもたらしましたか?
10%


 ほとんどの人が拷問を指示しており、これこそがこの記事の本質だと言いたくなるほどです。現在、私は「Prisnores of the Japanese」という本を読んでいます。これは第2時世界大戦時に日本軍の捕虜となった連合軍兵士・民間人のドキュメンタリーです。日本軍捕虜収容所の過酷さ、開戦初期に日本兵が連合軍兵士を虐殺した実態は、内容と規模において、実に凄まじいものがあります。捕虜の4人に1人が捕虜収容所内で死亡し、残りの全員は栄養失調でした。しかし、今回の報道を見る限り、こうした問題はあらゆる国が潜在的に持っていることを示しています。自分が正義だと単純に信じる者は、いかなる残虐な行為も行うのです。これが戦争の恐ろしさです。もともと、戦争は理性を欠いた行為です。しかし、こうした行動を整理して、いち早く終わらせるためには理性だが必要という矛盾があります。戦争を考える上で、狂気を無視することはできないのです。



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