テポドン2号:問題はどこにあった?

2009.4.8



 報道された記事全体を評価しようとしましたが、疲れが抜けないのと、報道記事の数が多いのとで、考えをすべてまとめるに至りませんでした。報道についても評価を出したいのですが、まずは簡単にテポドン2号についてだけ書きます。

 当初、2段機体に欠陥があって、予定の落下区域まで到達しなかったと報じられましたが、実際には落下区域の西端に着水したようです。これが3段機体とペイロードを乗せたままだったとすれば、2段機体は正常に動作したものの、余計な荷物を載せていたために落下場所がより近くなったのであり、2段機体の切り離しに成功していれば、もっと遠くに着水したと判断すべきです。すると、1段機体が落下区域の東端に着水したことこそ、1段機体に未だに問題がある証拠と見るべきです。1段機体が最小限の速度と高度しか確保できなかったことが、テポドン2号の飛行全体に問題を生じた可能性があります。自衛隊は2段機体が加速するのを確認していたといいます。2段機体は、ノドンBのエンジン1基を使っていることから、同じエンジン4基クラスター化した1段機体よりも扱いやすいはずですから、この推論はより確かなものと考えられます。1段機体のジンバル装置は改良されたようですが、いまでも推力か姿勢制御に問題があるのではないかと考えます。

 その他、基本的な部分だけでも明日1日かけてまとめたいと思います。


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