military.comによれば、パキスタン軍はスワト峡谷(Swat Valley)のミンゴラ市(Mingora)中心部を奪取したと発表しました。
日曜日の戦闘で、武装勢力10人とパキスタン軍兵士6人が死亡し、別の6人が負傷しました。パキスタン軍はグリーンスクエアと呼ばれて、タリバン支配下では「大虐殺広場」と呼ばれていた中央広場を占領しました。土曜日にパキスタン軍は武装勢力14人を逮捕しました。現在、戦いは山間部や村に限られています。しかし、スワト峡谷へ記者が入ることまでは認められておらず、軍の発表は真偽を確認されていません。ペシャワールの退役准将で防衛アナリストのメフムード・シャー(Mehmood Shah)は、占領できたのは郊外だけで、兵士たちは町の中に入っていないと述べています。シャーは市内居住者と連絡を取り、パキスタン軍は街を包囲することに成功しており、武装勢力は脱出できずに市内に留まっています。パキスタン軍は住民の被害を避け、重火器と大砲を使うことができず、兵士たちは家づたい、道路づたいに進撃しています。また、パキスタン軍はピオチャル村(Piochar village)に入ったとも発表しました。ピオチャル村はスワト峡谷のタリバンの主要な拠点の一つです。
現地からの情報とパキスタン軍の情報が食い違っており、戦果がパキスタン軍から過大に発表されていた可能性が出てきました。しかし、街の包囲に成功しているのなら、時間はかかってもタリバンを掃討できる可能性はあります。しかし、夜間の内にタリバンが逃げ出し、パキスタン軍内の親タリバン勢力がそれを見逃すといったことが起きる可能性もあります。パキスタン軍は殺害したタリバン戦士の写真を公開するくらいの情報公開が必要です。もっとも、それすら地元住民を殺害して写真撮影するといった偽装も可能でしょう。結局、記者を一定の地域までしか入れない方針がすべての元凶です。世界が実情を知るのは、ミンゴラ市での戦闘がすべて完了したあとになりそうです。