パキスタンの核兵器は安全か?

2009.5.5



 今日は簡単に書きます。military.comが、イラクでテロ事件が増加しても米軍の撤退スケジュールに変更はないと報じています。military.comの別の記事では、マイク・マレン海軍大将(Adm. Mike Mullen)がパキスタンの核兵器は安全に保たれていると述べたと報じました。

 イラクからの米軍撤退はイラク国内のアルカイダの活動に関係なく実行されるはずです。アメリカもイラクもそれを望んでおり、多少の状況悪化は無視することになります。どちらにしても、今後、テロ攻撃が増えるのは当然予測できることであり、問題はその程度です。アメリカが再び介入を決断しなければならないほどテロ攻撃が激化するかどうかが問題なのです。

 一方、タリバンの攻勢がみられるパキスタンですが、この国が核兵器を保有しているため、万一、タリバンの手に核兵器が渡る可能性が懸念されており、マレン大将はその心配を一蹴して見せる必要があったわけです。確かに、核兵器そのものを手に入れても、タリバンがそれを動作させることはできないでしょう。しかし、操作できる者を脅すなどして、それを命じることはできます。

 それから、オバマ大統領が、海外のタックス・ヘイブンに会社登記して税金逃れをしている企業から税金を徴収する方針を発表しました。これは、民間軍事会社の利益を直撃することになり、軍事問題にも少なくない影響がありそうです。今後、どう進展するかが気になります。


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