military.comによれば、5月4日に米軍がアフガニスタンのファラ州(Farah province)でタリバンに対する空爆において誤爆を行い、多数の民間人(アフガン政府は140人と主張)を殺傷した事件で、米国防総省は兵士が適切な戦術と手続きを踏まなかったことを明らかにしました。
ロバート・ゲーツ国防長官は調査結果のブリーフィングを受けました。調査結果は機密扱いですが、今週、機密扱いではない報告書が公開される見込みです。匿名を条件に語った国防総省高官によれば、タリバン戦士が2つの村に進入し、人々に金を要求し、公務員3人を殺害しました。アフガン軍が現場に急行しましたが、300人の武装勢力によって待ち伏せされました。州知事は米軍の応援を要請し、米軍が出動しました。戦いの中、地上軍の指揮官がF-18戦闘機とB-1爆撃機に、建物と果樹園を含む半ダース分の標的の爆撃を要請しました。国防総省報道官は、空爆の戦術、テクニック、手順に若干の問題があったとしながらも、それが事件と関係があったかは不明と述べました。B-1爆撃機はある時点で目標の絶対的確証を喪失しました。要するに、目標を見失ったのです。米軍高官は、米軍機は事前に爆撃の許可を得たものの、爆撃前に再確認をしなかったと述べました。これが誤爆の原因だとは記事に書かれていません。
死者の数では意見の相違があるものの、米軍は爆撃のプロセスに問題があったという認識に落ち着いたようです。具体的な事実が分からないと何とも言えませんが、米軍もいい加減な空爆はしていないはずです。それでも誤爆は起きるものです。こうしたミスは戦争が起きるたびに繰り返されてきました。航空機がハイテク機だろうと関係なく、ミスは起こります。見たところでは、B-1爆撃機のパイロットに問題があったように思われますが、はっきりとは分かりません。米国内には、こうした問題にアフガンの責任を見る人たちがいます。「アフガン人は米軍に応援を要請しておきながら、こちらが攻撃すると、民間人が死んだと文句を言ってくる」という意見です。しかし、こうした単純な見解は戦争を観察するには不適当です。戦争を観察していると、しばしば、苛立ちを覚えるような事態にぶつかるものですが、それを乗り越えられる資質を持っていない人は、客観的に戦争を観察することはできません。