military.comによれば、米国防総省はネバダ州ネリス空軍基地(U.S. Air Force Weapons School・kmzファイル)にある空軍兵器学校を卒業した最初の無人機のパイロットを迎える準備をしています。
最初の5人の卒業生が木曜日に土曜日に卒業します。かれらは訓練教官となり、年間10人以上のパイロットを教育します。これまでは実機のパイロットが無人機のパイロットを務めていましたが、ついに無人機のパイロットとして空軍のキャリアを始める軍人がでたわけです。2006年には12機だけだった無人機が、いまや34機が絶え間なくパトロールしています。空軍は3年前に無人偵察機プレデター「MQ-1」と無人偵察攻撃機リーパー「MQ-9」の上級訓練を加えることを提案しましたが、国防総省はイラクとアフガニスタンから避ける機体とパイロットがいないと提案を却下しました。今、空軍は127機のプレデターと31機のリーパー、400人の無人機のパイロット(候補者?)と共に計画を進める許可を得たのです。
時代の変化を感じさせるニュースです。米軍がいかに無人機の重要性を認識しているかも分かるほど、無人機パイロットが急速に増員されようとしていることが分かります。それもそのはずで、無人機は広範囲を偵察することはできず、大量に稼働させる必要があります。高空を飛ぶから、広範囲を観察できるように思えますが、実際には敵を確認するためには、小さな一点を拡大して見なければなりません。特に重要な拠点については、24時間監視を続ける必要もあります。だから、大量の無人機が必要になるのです。こうした需要に対応させるために、米軍は急速に無人機のパイロットを増やしています。
ところで、日本が北朝鮮の弾道ミサイルを巡航ミサイルで攻撃するのなら、無人機を飛ばせて移動式のランチャーを探す必要があるわけですが、先日、自民党は巡航ミサイルだけを導入する提言を採択しました。無人機の増加、これらを洋上から発着させる航空機や艦船の必要性には触れませんでした。まったく実状を理解していない動きです。ことの是非は別として、弾道ミサイルのランチャーを攻撃したいのなら、無人偵察攻撃機が一番よいことになります。自民党が無人偵察攻撃機の導入を検討しているかは、私は知りません。いまや米軍も予算縮小の傾向にあります。それでも、ブッシュ政権期に既決の計画は進められているので、実際に予算額が減るのは何年も先の話といわれています。日本は、そんなことにはおかまいなく、意味のない装備品の獲得に大金を注ぎ込もうとしています。昔からですが、日本の防衛政策は目的が分からないことが多すぎます。