military.comに、アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領(President Hamid Karzai)が米軍主導の国際軍とタリバン指導者の交渉を望んでいるという記事と、タリバンも戦闘のルールを変更したという記事が掲載されました。
カルザイ大統領は、暴力を放棄して和平を望むタリバン指導者と米軍と国際軍のプレゼンスはアフガンの国益だけども、民間人の犠牲を最小化すること、個人住宅の捜索を制限すること、起訴しないアフガン人をいつまでも拘束しないことを求めています。バグラム空軍基地の米軍が運営する収容所には600人のアフガン人が拘留されています。大統領は、彼らはテロと関係なければ釈放されるべきで、拘留は普通のアフガン人を米軍とNATOに敵対させていると述べました。8月20日の選挙で再び大統領に選ばれたら、カルザイ大統領はこれらを要求していく方針です。
military.comによれば、アフガンのタリバンは自爆攻撃を制限するなど新しい戦闘のルールを発表しました。アルジャジーラ・テレビが月曜日に入手した「ムジャヘディンのためのアフガン・イスラム首長国のルール(The Islamic Emirate of Afghanistan Rules for Mujahideen)」よると、自爆攻撃は重要性の高い標的に限って使用されます(アルジャジーラが掲載したルールの要旨はこちら)。民間人の犠牲を避けることに最大の努力を支払います。新ルールは13章で構成され、67条の規則が記されています。新ルールには、いかなる新しい武装組織の結成を禁じ、組織の結束を拒否するいかなるグループをも解散させることを求めています。また、地方自治を認め、地方の指導者が管轄区域で行う戦闘を決定することを認めています。誘拐した外国人を攻撃しないとか、傷つけないといったことも地方の指導者に一任されます。
タリバンの一部に和平を望む者がいるのは、非常に注目すべきことです。これは切り崩し戦略のきっかけになるからです。それを警戒するかのように出されたタリバンの新ルールでは、結束を阻害する一切の行動が禁じられています。これは一部から脱落の動きがあるのを阻止しようとしているわけです。一方で、地方に自由も認めて、脱落を防ごうという考えでしょう。民間人の死傷者を減らすことについては、米軍の新ルールへの対抗であり、アフガン国民からタリバンが反目されないようにするための工夫です。問題は、こうした傾向の程度ですが、顕著な傾向だと言えるのかどうかが疑問です。タリバンの現状は十分な情報がないのが現状です。