クウェート米軍基地への攻撃計画

2009.8.14



 military.comによれば、クウェートにある米軍基地を爆破する計画を立てたクウェート人6名中の5名が逮捕されました。

 狙われたのは首都から38マイル離れたアリフヤン基地(Camp Arifjan・kmzファイル)で、ここはイラク作戦の主要な補給基地です。攻撃は今月のラマダン中に行われる予定で、国家安全保障本部(State Security headquarters)と他の重要施設を狙い、安全保障当局者がトラックに爆発物を乗せ、施設に突っ込む計画でした。このグループはアルカイダと関係があるとされています。被告の弁護士によると、5人は2002年にクウェートのファイラカ島(Failaka)にある米海兵隊訓練基地を攻撃したクウェート人のいとこです。この攻撃では海兵隊員1名が死亡、同じく1名が負傷し、海兵隊員は2名の攻撃者を射殺しました。

 クウェートは湾岸戦争でアメリカの手でイラクから解放してもらったのですが、数は少ないものの米軍に対するテロ攻撃を行う者がおり、事件が起きています(記事に過去の事例が載っています)。この記事で心配なのは、テロ攻撃にクウェート人の安全保障当局者が関係していたことです。氏名は公表されていないので、どういう立場の人かは分かりませんが、基地に出入りできる人物なのが気になります。「アメリカは助けに来た振りをした侵略者」だという認識が中東からパキスタンにまで広がっている事実は、いまだにテロの危険を生んでいるわけです。いつになったらこの種の誤解が解けて、中東に安定した時代が来るのかは、まったく予測できません。


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