military.comによれば、バラック・オバマ大統領が海外戦争退役軍人会（the Veterans of Foreign Wars）で演説し、米国の防衛体制と浪費家の政治家たちを批判しました。
オバマ大統領の演説全文は前述の軍人会のウェブサイトにワード形式で掲載されています。簡単に演説の内容を説明すると、国防予算に関しては、冷戦が終了したいまもなお、ワシントンでは兵器の予算を獲得するために凄まじい活動が行われているが、大統領は無駄な兵器を買うために予算を使う気はないということです。強固なロビイストたちは、我々の軍すら必要がないという兵器を強引に押しつけると、大統領は述べています。
オバマ大統領に対して反発を持つ共和党勢力の人たちが、タウンミーティングのような会合を荒らして回っているとか、オバマ大統領の暗殺計画の情報が多く出ているという報道もあります。共和党支持者自体がテロリストに成り下がった感がありますが、この記事には、退役軍人たちは何度もオバマ大統領に拍手し、演説が遮られるほどだったと書いています。退役軍人が味方についているのなら、まだ安心してよいのかも知れません。この演説で大統領が言いたいのは、自身にかけられている防衛業界からの圧力と、その援護者となっている連邦議員たちです。そうした国防予算を議会が可決するなら、自分は拒否権を使うとオバマ大統領は主張しています。ハイテク兵器の価格はうなぎ登りで、防衛業界の存在価値を一層高めるため、この業界の人たちは少しでも多くの兵器購入を政府に認めさせようとします。ハイテク兵器は独自の技術で造られるため、開発・製造した企業なしには運用できないからです。おいしいのは兵器それ自体ではなく、スペアパーツにあります。兵器の製造と共に作られるスペアパーツが企業を長く生きながらえさせる原動力です。その企業にしか作れないようなスペアパーツは、他の企業に発注される恐れがないため、なお歓迎されます。現代の兵器はあまりにも複雑になり過ぎ、国家予算の大きな負担となっています。そこにメスを入れようとするオバマ大統領の判断は正しいと、私は考えます。
それから、時間がないので紹介だけにしますが、アフガニスタンで女性だけの海兵隊員の部隊が現地女性との交渉にあたっています（記事はこちら）。彼女たちは現地女性と同じように頭にスカーフを巻いて活動しています。残念ながら、通訳は今のところ男性です。こうした部隊を充実させ、いずれは現地語を解する女性兵士が活動するようになれば、一層効果があると私は考えます。
