military.comによれば、CIAの尋問官がテロ容疑者に「見せかけの死刑執行」を行ったことが来週機密を解かれる報告書に書かれていることを、米議会当局者が明らかにしました。
死を用いて拘留者を脅迫することはアメリカの連邦法に違反します。2000年に17人の米軍人を殺害した駆逐艦コールの爆破犯アベド・アルラヒム・アルナシリ(Abd al Rahim al-Nashiri)の尋問に銃と電動ドリルを持ち込みました。別の例では、拘留者が銃殺されたと別の拘留者に信じさせるために、隣の部屋で銃が発射されました。アルナシリには水責めが行われたことも知られています。
偽の死刑執行を行ってテロ容疑者を脅迫し、情報を得ようとする試みはすでにいくつかの情報により知られていました。米政府の報告書でもその事実が確認されていることが、今回明らかになったのです。こうした尋問はむしろ報復のために行われたのではないかと、私は考えます。アメリカは自国内では厳しい取り調べを禁じています。それだけに、国外のテロ容疑者に対しては、反動のような力が作用し、一層厳しい取り調べが行われるのかも知れません。これでは、圧政とは無縁の米政府も、他の政府(たとえば、タリバンのような組織)と変わらないことを自ら証明するようなものです。オバマ政権になって、こうした方針は改められてきましたが、その悪影響は簡単には消滅しないでしょう。このことは、反面教師として日本人も忘れてはいけないことです。感情に流されやすい日本人が同じことをやらないとは言い切れないのです。