military.comによれば、ドイツのアンジェラ・メルケル首相(Chancellor Angela Merkel)が、ドイツ軍は目標を達成するまでアフガニスタンに留まると述べ、撤退の期限を設定する可能性を否定しました。
メルケル首相は目標を達成したら、出来るだけ早くに軍を撤退させたいとテレビインタビューで述べましたが、いつ目標を達成するかには言及しませんでした。最新の数字では、ドイツは4,050人をアフガンに派遣しています。主に警察と軍の訓練と民間のインフラ整備に従事しています。
この記事の第一の問題は、メルケル首相が「目標」が何であるかを明確にしていないことでしょう。期日を示せないことよりも、目標そのものが何かを言えないことが問題です。「治安回復」と簡単に表現することはできても、テロ事件が月あたり何件以下といった目標は達成しがたいものです。軍・警察の隊員を何人養成したかは達成しやすい目標ですが、治安回復を間接的にしか表現しません。そもそも、発展途上国の内紛に先進国が武力介入して、成功した事例はなく、具体的な戦術もありません。軍事的手段は短期間で、目標が明確な場合に成功するもので、それ以外では失敗すると考えて差し支えがありません。いまや、米軍やISAFは「いるだけ」の存在なのです。
なお、military.comによれば、最年少のテロ容疑者としてグアンタナモベイ収容所に拘留されていたモハマンド・ジャウェド(Mohammed Jawad)が先週末にアフガンに送還されたという記事も報じられています(過去の記事はこちら)。これで、ジャウェドが起訴される可能性はほとんどなくなりました。