米軍の被害補償額に関する記事

2009.8.30



 31日に更新できないので、かわりに本日更新を行います。military.comが、アフガニスタンで米軍がアフガン人に支払っている補償金について報じました。この記事からは、米軍が戦闘でアフガン人に加害行為を行った場合、どれだけの補償金を支払っているのかを知ることができます。

 補償金を支払う業務について、米海兵隊は約35人の隊員を割り当て、補償金のために2億5000万ドルの予算を使っています。補償金の内容は以下のとおりです。

被害の内容
補償額(ドル)
アフガン人が死亡 2,500
牛が死亡 約2,500
窓を破損 約50
細工を施した
金属製ドアを破損
最大 110

 なお、人間と牛の補償額がほぼ同一なのは、アフガンが牛を育てるのが極めて困難な環境で、家族の健康のために重要であるからです。窓やドアが主要な補償の対象なのは、家屋に突入する際に爆破されることが多いからです。このように補償の金額が決めてあるので、被害を受けたアフガン人は被害リストを作って、米軍に提出し、査定チームが被害を格にした上で補償金を受け取る仕組みが決められているのです。すべてはアフガン人との信頼関係を構築するためです。

 気になるのは死者に対する補償金が妥当かどうかです。アフガンは物価が非常に安くて、変動が激しいと聞きます。公務員の給料が50ドル程度といいますから、4年と数ヶ月分の給料が補償金だということになります。最近は物価が非常に高くなり、従来の基準では考えられなくなってはいますが、それでも先進国では到底通用しない程度の金額でしかないのは間違いないでしょう。

 国外で軍隊が活動する場合、単に作戦にかかる費用だけを考えることはできません。このように様々な金が必要になります。だから、政府が単に作戦の費用だけを取り上げて主張する場合、それを信じてはいけないのです。


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